植林方法が激変 ドローンが魅せる次世代植林活動
「去年、九州と北海道がなくなったんだ」
これではまるでSFのような話ですが、九州と北海道の面積分の森林は去年確実になくなったのです。
WWF(世界自然保護資金)によれば、森林伐採により、1分ごとに約25ヘクタール失われ、1年間では150億本の木が失われています。
その土地面積は13万平方キロ、つまり九州と北海道の面積分とほぼ同じ面積となります。
森林伐採はすぐにできますが、植林はその何十倍も時間と労力がかかります。その結果、13万平方キロもの森林が毎年消えていっているのです。
植林活動を激変させるドローン
世界中で献身的な植林活動が行われているにも関わらず、なぜこれほどまでに森林破壊は進むのか。
NASAの元エンジニアでBioCarbon Engineeringの創設者のLauren Fletcherさんは植林にかかる時間に大きな課題があると考えていました。
そして、ドローンを使うことによりその「時間」という課題を解決したのです。BioCarbon Engineeringの作るドローンは1日に10万本の植林を行っており、年間では10億本の植林を行うことを目標としています。
現在BioCarbon Engineeringのドローンでは、手作業に比べて10倍早く、かつコストを半分にして植林することができます。技術的には、1人で最大6台のドローンを同時に操作することができ、1日に10万本を植えることが可能となっています。
どのようにしてそれを成し遂げているのか、その植林方法を順に見ていきます。
綿密な分析による植林方法
植林を始めるにあたってまず最初にするのは地形(エコシステム)のデータの収取と分析です。
エコシステムの情報を収集し、分析することで植林後のモニタリングや、植林方法などを決定する助けとなります。
ドローンによる効率的な植林
分析に基づき、障害物を避けた最適な植林パターンが算出されます。
植林ドローンは300ものシードポットを運び、18分で1ヘクタール(10,000平方メートル)に植林を行います。
シードポットは生分解性のため、自然に影響を与えることがなく安全に使用することができます。
ドローンによる植林後のモニタリング
植林後もドローンでモニタリングを行い、木の成長を見守ります。
このように地形や地質、障害物などのデータに基づき、最適な木や肥料が選ばれます。また、低空飛行ができるドローンによる植林のため、狙った場所に対して誤差数センチ以内で種を植えることが可能となっています。
結果、木の生存率は上昇し、植林の効果をより高めることにつながっています。
BioCarbon Engineeringのドローンによる植林方法の説明動画
https://youtu.be/JcJ7vLwtSIM
植林方法の未来
現在の植林方法では時間と多大な労力がかかるため、限界があります。BioCarbon Engineering のドローンのように新しい革新的な技術を使うことで、森林破壊は食い止められるかもしれません。
様々な環境問題をテクノロジーが解いていく、いい例ですね。
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